書物蔵

古本オモシロガリズム

大盛堂書店の歴史

最近、渋谷の大盛堂書店の歴史について調べている。
特に「本のデパート」の時代。
社史もないし、意外と文献がないのよ。

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大盛堂書店

ご存知のとおり、不死身の分隊長こと、船坂, 弘, 1920-2006が、南方から帰ってから拡大した巨大書店なんだが。舩坂は戦記をたくさん書いているのに、戦後の書店成功のことが全然書かれてないのよ
(o・ω・o)
断片情報を集めるとこんな感じ。

明治45年、先代(養父)が屋台で書店を始める。
?年 店を現在のところに置く。
昭和21年? 舩坂弘が1坪の店を開く。
昭和34年 日本最初の本のデパートを開く。
昭和37年 本のデパート(本館?)を大型化して移転。
平成?年 本館をたたむ。

本館?地下1Fにあった軍装品屋アルバンは2000年ごろに軍装品部門が閉店したようである。
軍事洋書店はしばらくはやっていたようだ。
mentai.5ch.net
アルバンの広告から、大盛堂書店本館の住所がわかった
(´・ω・)ノ
渋谷区神南1−22−4
これは、レファレンス技法の一つなんだが。

あるモノ・ことを調べてうまく出ない場合には、一緒に出現する別の出やすいものを調べる、という手法がある。技法名はついていないので、いま仮に炭素太閤記法とでも名付けるが。

大盛堂書店本館のことを調べるには、アルバンについて調べればいいわけかぁ
実際、故・坪内祐三が、
『「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 一九七二』 (文春文庫)
に、アルバンで中田商店が輸入していたアメリカのスキンマグ(当時はガーリーマガジンか?)に出会ったことを書いている。
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%80%E4%B9%9D%E4%B8%83%E4%BA%8C%E2%80%95%E3%80%8C%E3%81%AF%E3%81%98%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E3%81%8A%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%98%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%80%8D-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%9D%AA%E5%86%85-%E7%A5%90%E4%B8%89/dp/4167679795/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E5%9D%AA%E5%86%85%E7%A5%90%E4%B8%89%E3%81%8C+%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB&qid=1623330368&sr=8-1
この前までエロ本も包括的に収集する特殊図書館に勤めてて、たまにマジメな客にその手の欠本などについて聞かれたから、エロ本流通史に興味があるんだが。

そのうちの一つに海外エロ本輸入史があって。

軍装品屋の中田商店が他に先駆けて手掛けた、というのは、昨年、ネットで知ったんだった。
アルバンは少なくとも1972年には大盛堂書店本館地下にあったみたいね。
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