書物蔵

古本オモシロガリズム

児童書研究と大人の本研究

子ども、というと、囲い込んで保護する、ということになる。その伝でか、研究も子供研究は、一般のディシプリンから切り離されて研究される傾向がある。大人の文学は文学一般で、大人の風俗は、民俗学や風俗史で、大人の心理学は心理学一般で。それに対して児童○○学は一般と区別されるし、児童研究なんてのもある。たしか児童研究はNDLCでいうFA、教育学にぶち込んじゃうんじゃなかったっけか。
それで児童ナントカだとその文献をわりと見落としちゃう傾向にあるんだけれど、日曜に高円寺へ行ったついでに森さんを拾って、元ささま、よみた屋へ出張った際に拾ったものがこれ。

  • 日本の子どもの読書文化史 / 飯干陽 著. あずさ書房, 1996.1

一見すると先行研究のレビューや文献注形式でなく、うーん、これはイイホシ, アキラ, 1923-さんが、学校教員あがりの研究者だったからかしら、と思うが、少なくとも素材の収集はできている。

10/29追記

きのうは床屋のあと某社へ。社長さんに、教育学系の文献が研究としては至らぬ部分があれど、先行文献として使える件を戦前読書史のデータ集―これはまだ秘密―を例に話す。ってかアイデアは森さんの受け売りなんだがね。