書物蔵

古本オモシロガリズム

藤田節子『本の索引の作り方』は出版関係者には基本書になるのでは

忙しいので、楽しみにしていた次の本をあらあら読了す

  • 本の索引の作り方 / 藤田 節子. 地人書館, 2019.10

とてもよい本で、本作りをする人はすべからく読むべし、という結論になるが、実際に本の索引づくりで苦労した経験が複数回あるわちきならではの批評をば。
実際のインデクシングで一番、重要かつ困る(というか迷う)のは、p.117にある「オーバーインデクシング」か「アンダーインデクシング」に陥ること。つまり、索引後(見出し語)を多く取りすぎたり、少なくしかとらなかったりすること。それを避けるためのガイドラインについて、本文量との対比(p.106)やノイズ語(「付随的な語」p.115)の不採録などで示されているが、これではちょっと足りないと思う。そんなことはそもそも不可能ごとだとの記述も本書に(ページメモし忘れた)あったが、そこをなんとか言語化してほしいところである。

昨今、原稿作成にPCを使うのがデフォになり、そのせいだろう学術書ではようやく「事項索引」がつき始めたが、概念索引法でなく、自動索引的なオーバーインデクシングなどが散見されるので、出版関係者はこの本を読むとよいだろう。というか、巻末索引の作り方の本って、これしか日本にないのでは(σ・∀・)