書物蔵

古本オモシロガリズム

おサボりの勧め? いやいや、知的複眼思考のことぢゃよ

コミガレ3冊500円から二足のわらじ

山田, 智彦, 1936-2001 の

  • もう一枚の名刺を持とう! / 山田智彦 著. 読売新聞社, 1998.9

をコミガレで拾って読んだ。もともと名刺論に興味がるのと、タイトルから余暇活動の話かと思って拾ったのぢゃった。
山田智彦 は芥川賞候補作家だったが、経済小説なども書く御仁。

  • 「元漫画家 青木雄二さん 作家 山田智彦さん(対論)」『朝日新聞』1998年2月28日東京/朝刊4頁

なんて対談もあるねぇ。
要するに、自分の前半生、特に銀行員をしながら執筆活動したことをを振り返ったもので、なかなかにオモシロ。
まぁ文学賞を受賞したのがきっかけで文学好きな銀行重役に見いだされて出世していくのだけれど、それ以前の地方の支店での苦労と執筆のところがオモシロい。
ただし、基本的に右肩あがりの戦後経済を前提にしとるんで、衰退期日本の現在にはそのままだと役立たないんだが、記録としてオモシロといふわけで(σ・∀・)
山田さんは立派な人なんで、自分を律して業務は平均よりまじめに務め、執筆は付き合いを廃して夕方から夜にやってたんだが、一般の銀行員が、外回りでお茶したりとか、いろいろな実態も書いてある。
わちきの親のとこに銀行員が日かけのお金取りに来て、楽しくコーヒー飲んでいったことを思い出すなぁ(*゜-゜)トオイメ

Fri, 20 Feb 2009 に友人に出したメールから。

メールの過去データがなくなってしまって、しょうがないので復活作業中(´・ω・`;)´´
その過程で忘れてたことがいくつも発掘されてゐる(σ^~^)
たとへば十年まへ、丸の内の会員制バーで飲んだ時のこと

なんだかワケワカランながら、Y氏に動員され、財閥系会員制倶楽部で飲み。ワイン、料理ともおいしかったことはおいしかった(・∀・)
お相手は、つくばのT先生、M先生。資料組織系の先生方。
〔略〕
先生方が思ったより図書館業界や図書館ブログのことを知らないのにびっくり。というか、専門(といっても図書館情報学の資料組織化の自分の領域)のことしか追っかけてなかった。両先生とも、余力がないのだとおっしゃってましたが。

これは前座ね。専門家が専門しか知らないのは、これはあまりよくないがしょうがない。それよか、今見返してオモシロと思ったのはこんなとこ。
Y氏がいふやう…

・当館の人材はじつはよい。当課なぞ、旧帝大系の学卒や修士が半分もいる。
・しかし、それらの人材に出納手ばりのことしかさせていない。特に最近は、問題来館者の相手などが多くなり、人材の使い方として問題。
・現在の業務はネグるぐらいじゃないと。
・○○館は失敗。というか学研都市自体が、長尾京大総長によって京大工学部が来なくなって失敗した。
・「じつは貸出プロセスのなかには専門的業務へつながる要素があるのだよ」と。市場化主義者とも思えぬお話。
・「地域情報の組織化こそ公共図書館固有の使命なのだ」とかも。
・レファレンスというのは、諸サービスの総称で、いまや無効なパッケージ。
・「図書館振興財団」はTRCの石井社長が私財をなげうって創ったもの。TRCは大日本印刷にあげてしまったし、石井氏はもう、金儲けは考えていない。

人材育成の話なんか、スルドイ(σ・∀・)
大学出たてはちゃんとしとるのに、単純作業(しか)させないとどんどんダメになっていくという指摘はなかなかない。小役人を煮しめたやうな管理職ばかりになっちゃふ。ホンタウは人事部あたりが音頭を取って活性化しないといけないんだが、とってつけた座学で事足れりとしちゃふんだわさ。あるひは座学のリスト作りでおはっちゃふ。
現行ルーチンを相対化できないのは、結局、縮小再生産にしかつながらないんだよなぁ。Y氏はまったく正しいな(゜~゜ )
「貸出カウンター理論」の一番の批判者にみゆるに、ちゃんとその中で救える側面を見ているのはえらいな。
地域情報の組織化は、根本先生の地域資料論あたりを今風にいひ変えたものだね(o^ー')b
「レファレンス」という看板が結局、戦後70年間、日本人に浸透しなかったのは、これはご指摘のとほり(´・ω・)ノ そもそもそれを中心に創られた国会附属図書館が、考査などといふヘンテコ訳語を作ってからに、文献の代行調査に誤解しちまって、ミスリード。そして国民レファレンス局を2011年10月に廃止しちゃったo(´・ω・`)o 日本人はバカになったのぢゃ~
TRCはちゃんと一定の評価をしないといけない。
などなど図書館ギョーカイ話もさることながら、ルーチンに対して批判的スタンスがある程度とれないと大成しなくなっちゃふ、ってなことを改めて認識。