書物蔵

古本オモシロガリズム

官能小説は車中にて読まれるよし

前田愛のオモシロ証言(´・ω・)ノ

前田 宇能鴻一郎の作品はだいたい週刊誌か、タブロイド版〔ママ;判〕の「ゲンダイ」にのるわけですね。あれを読むのは満員電車の往き帰り。誰でも痴漢になりかねないようなうっというしい状況にある。だけど、みんな勇気がないから、あるいは両親があるから痴漢的行為に及ばないわけだが、そういう時間と場所で氏の作品、あるいは川上宗薫氏の作品が消費されている。そうした場の論理から、宇野氏の文体は考えられませんか?(p28)

清水 徹. 前田 愛. 山田 有策. 「読者論・読書論の今日的意味」--文学論の前提として. 国文学 : 解釈と鑑賞 / 至文堂 編.. 45(10) 1980.10. p6〜35