古本者らとの楽しき会合の際、改めて森さんに読書論の論を張ってもらう。
a 観念的読書論と経験的読書論というセットでの整理、
b 読書はもともと全て観念世界(非現実)を経験するものであること(それがたとえマニュアル本の読書であっても)
c 読書経験は、その主体が如何なる社会階層、性別、年齢であろうとも、帰属集団を生きるのではなく、読んでいる間は準拠集団を生きることになること
d 読書で準拠集団に(観念上)準拠する癖を覚えた個人は、もはや帰属階層自体を生きるだけでは済まなくなること
などを話してもらい、なかなかオモシロと思った。
また、読書史、読者史に学者がひきつけられる原因に、
- 読むことをしないで学者になるということがほぼ不可能
だからではとの指摘も森さんはしていたな。ゆえにそういった自分史的偏差も反省しつつ取り組む必要があろうとも。
ちゃうどわちきらは前半生がネットのない時代であったので、見晴しはわりといい―というか得―かもしれないとは言っておいた。
ただ森サンが言っていた、読書論の観念的/経験的が出てくるという「しんようしゃ」の文学理論用語集がうまくみつからないなぁ…