書物蔵

古本オモシロガリズム

百版道

百版道さん次の文章を読了。
・多田蔵人「百版本の世界」『日本古書通信』82(9)p10-11(2017.9)
いろいろ示唆に富んで面白い(^−^*)
a 版表示はどこまで実態を表すか?
b 奥付の読者は誰か?
c 版表示と発行部数の連動は? 出版者により違う? 時代により違う?
d 流布本の調査の意義は?
e 部数と影響(受容)の連関は?
などなど
いづれにせよ、古書展を研究に活かすオモシロき途なりと感心したです。
いままで図書の版については初版初刷りに研究が集中してきたけれど、読者による受容、ないし読書の歴史からいうと、複数刷本のはうが重要なのかも知れず(´・ω・)ノ
わちき最近、近代日本の読書の歴史にとっても興味があるんで―にしても永嶺先生の本、妙に古本で高いね―図書の歴史から一歩でて、読者ないし読書の歴史に役立つ痕跡として、百版―をはじめとする複数版表示―に興味津々なのだ(。・_・。)ノ



異刷り、異版の比較調査は、図書館よりも古本で調べたほうが、手早く―電車賃や通信費も含めれば―安くできることもある。


知ってる人は知っているが、戦前、「ベストセラー」なる言葉はないといっていいだろう。


奥付はそもそも誰に向かって書かれた言葉なのか? それは本来、内務省図書課員だったにせよ、途中から同業他社や取次、小売書店員、あるいは店頭で立読みする―立読みの歴史はまだ書かれてゐない―読者

ってか異刷りや奥付の