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古本オモシロガリズム

「近代文献」とは何か:明治古典会の出品目録目次から考へる

カタログを見ながらかう考えた。
古本屋のいふ「近代文献」ってナンダロ(=゚ω゚=)
文字通りの意味でないことは明らかだ。
けど意味を解説したもんを読んだ憶えもない。
とかく意味は他の言葉との関係からしかわからない。
とゆーことで、古本屋用語の「近代文献」の意味を、明治古典会の出品目録目次から考えてみん。

明治古典会の出品目録
http://www.meijikotenkai.com/2014/catalog.php

こんな目次がたっている。

文学
美術・工芸・写真
映画・趣味
近代文献資料
浮世絵・刷物・新版画
古典籍
古文書・古書画

まづもって、「古典籍、古文書・古書画」は近代のものでなさそう。つまり、

〈近代?〉
 文学
 美術・工芸・写真
 映画・趣味
 近代文献資料
 浮世絵・刷物・新版画
〈前近代〉
 古典籍
 古文書・古書画

と、〈〉で見出しを立ててみる。するとすぐ気づくのは、「浮世絵・刷物・新版画」が近代と前近代をまたがっていること。

時代別
〈近代〉
 文学
 美術・工芸・写真
 映画・趣味
 近代文献資料
〈前近代〉
 古典籍
 古文書・古書画
時代横断的
 浮世絵・刷物・新版画

もちろん、時代別vs.時代横断的でなく、冊子vs.1枚ものなどに分けることもできようが、ここでは論旨に無関係なのでほっとく。
んで。
議論に関係あるとこだけ抜いてみると…

〈近代〉
 文学
 美術・工芸・写真
 映画・趣味
 近代文献資料

一見して、〈近代〉と「近代文献…」の近代が重複しとるからそれを抜けばいい。

〈近代〉
 文学
 美術・工芸・写真
 映画・趣味
 文献資料

しかし、「文献資料」というのは、なにも言ってないに等しい言葉(σ^〜^)なぜなれば、残りのジャンルすべてが、「文献資料」であるから。ということは。

近代文献とは、近代以降の文献のうち、文学、美術、趣味などのジャンルでないもの

となる。
ここで仮にNDCを用いてみると。

近代文献とは、近代以降の文献のうち、哲学・思想、歴史、社会科学、自然科学、工業、産業、語学のジャンルのもの

をいうとわかる。
答えがでましたの(o^∇^o)ノ

余談「明治文献」

「明治文献」といふいひ方もあって、おそらくジャンル的にはここでいふ近代文献のジャンルとほぼ一致するはず。