書物蔵

古本オモシロガリズム

趣味誌『豊艶』(ほうえん)を主宰した土肥ヒロノシン

あちいね(;´▽`A``
けふはざるをくはんとて、ひさしぶりにみとう庵へ。やぶいずのはうが好みではあったのだが、これはこれでうまし。
それはともかく股旅堂の目録で趣味誌「豊艶」が1冊1万と見て、そんな稀覯本だったのかぁ(@_@;)とてあわてて調べてみた(´・ω・)ノ
まづハねっと情報なれど、つぎのものしか出ない(ってか出たほうが奇跡だが)。

戦後 性の会員制雑誌
50〔ページ〕 感〔七面堂究斎氏の感想〕 【豊艶】全五冊の掲載は流石である。この雑誌は軟派系ではあるが、むしろ趣味誌といった方が正確であろう。 発行部数が二百部と少ないことと、戦後間もなくの昭和二十二年年の刊行、広島という地域が当誌を稀覯誌化している要因であろうか。一号〜四号までの全五冊、という変則的な形態の意味するところは、書影にもある通り、改訂一号という二冊の第一号があるからである。 当誌は当館にも所蔵されているが、惜しむらくはこの改訂一号〜四号の四冊のみで、一号の初版が無い。これが当館に架蔵される日は来るであろうか…
別冊太陽「地下本の世界」も補遺(閑話究題 XX文学の館 談話室)http://www.kanwa.jp/xxbungaku/Reference/Taiyo2.htm

あわてて発禁本2のp.50をみると、たしかに書影が5冊分ある。わちきがもっとるもんのほうが、状態わるいなぁ(´・ω・`)
全5冊で、昭和22年6月〜23年4月。限定100〜200部で、土肥日露之進発行(福山市)とある。
七面堂氏ももっとらんらすぃーけど、わちきも1号は第2版しかもってにゃい(*・ω・*)
この「豊艶」どの図書館にも収蔵されとらんと思ったら、にゃんと、ハワイイーにあるね。

豊艶 第三號 Hoen daisango 豊艶文庫主人 1947 土肥日露之進 KAJI-349 風俗
http://www.hawaii.edu/asiaref/japan/special/kajiyamageneral/date/s1946-48.htm

ハワイ大学マノア図書館アジアコレクションにある「梶山文庫」
どこの梶山さんと、思ったら(@_@;)
にゃんと、「せどり男爵」の梶山さんぢゃあ、ござんせんか(o^∇^o)ノ さすがせどり男爵!o(^o^o)

土肥日露之進とハたれそ?

といふことで、ドヒ, ヒロノシンとは誰ぞ、てふことが問題とならう。
ヒロノシンてふハ、推定よみ。

  • 備後福山藩の誕生 : 附立圃と福山 / 土肥日露之進著. -- 福山 : 児島書店 , 1962.9. -- 41p, 図版[2]枚 ; 22cm. -- (備南郷土史研究 ; . 未顕真實 ; 第1輯). -- 著者の肖像あり ; 1000部発行 ; 著者のヨミは推定による. -- (BA6579162X) ; http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA6579162X

この本をみればご尊顔を拝せさうなのぢゃが。。。国会図書館にないね(´ヘ`;)とほほ
で、NDLサーチで調べると、つぎの文献がみつかる。

  • 文庫印・蔵書印・印影集 丙戊巻 / 礒部, 鎮雄, 1903-,礒部鎮雄 編 南洋文庫 1946.9

イソベ・シズオ デタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
ってな感じで(^-^;) 参照するに次のことがわかった。
なんとこの本、蒐印帳なれど、ただの集印帖にあらず(。・_・。)ノ
なんとなれば、蒐書家の蔵書印集印帖なれば(゚∀゚ )アヒャ
印影だけでなく、そのコレクションの解説もある。そして、土肥日露之進のところをバ、見ますればΣ(゜∀゜;) 

小早河文庫
所在地 備ノ後州 深安ノ郡、引野ノ邑
冠名称 心洗楼
前門、小早河文庫
後門、豊艶文庫
架蔵数 弐千五百余巻
    先考印 書是吾家什、智学一生宝器、
    弐十七代篤平證鐙、祖孫、親シム燈前ニ (一対印)

文庫名、所在地、蔵書規模、別称などがメモされてをる(σ・∀・)σ
どうやら、この土肥ひろのしんの文庫は福山市立図書館にはいったやうである。

しかしこの集印帖、こ、こりは(@_@;)
よく考へると、なな、なんと(*ω*;)´´
蒐書家名簿のかはりに使える貴重資料ではありますまいかっ\(◎o◎)/!
えらいっちo(^o^o) 磯部のしずをタンo(^-^)o
なになに〜
「従来、蔵書票の交換はよく催されましたが、蔵書印集として蒐掲したものは」云々と、蔵書印の集印帖ははじめてだ、ぐらいのことが書いてある(σ・∀・)σ
なーるへそぉ。
来るべき蒐書家レファレンス事典のために、ここに目次を国会サーチから録してをかう。

目次
千田莊文庫・吉村彪
雙翠山房・島田筑波
春湖文庫・鈴木正康
後苑莊文庫・磯ヶ谷紫江
芥子馬洞・茂野一郎
紫翠文庫・梅谷紫翠
紫花菱・川島久三郎
しげを藏書・宮尾しげを
欣魚莊文庫・松井佳一
塚越文庫・塚越勇次郎
末知菴・母袋光雄
吉田文庫・吉田榮一
木兎精舍・平岩富士藏
漾々廬文庫・難波治吉
上方文庫・芳本倉太郎
讚岐文庫・荒井富三
石曽根藏書・石曽根民郎
小早河文庫・土肥日露之進
天目山莊・天目山莊
汗牛洞文庫・神部健之助
南洋文庫・礒部鎮雄
稲垣藏書・稻垣武雄
附録
一、 日光山藏書印
二、 根岩竹香文庫印
三、 寺門靜軒書印
四、 胄山文庫印
五、 太田南畡文庫
六、 太田氏藏書
七、 好古藏書印
八、 佐藤旭眞藏書(二@)
九、 東京府圖書部
一〇、 東京府文庫印
一一、 かし本の印
後記・鎮雄

追記(2019.9.30)

あすから消費税あがるとかや。
それはともかく、5年ぶりに豊艶を読み込んだら、なんと豊艶文庫主は土肥ではない可能性が。1号奥付に豊艶文庫主は「広島県深安郡引野村前古屋」にいるとある。がしかし、やっぱり土肥かなぁ。