書物蔵

古本オモシロガリズム

戦前期統計の横断索引が、ないね

かういった文章を読みたかったのだ。

たかはしますよは、一橋大学経済研究所日本経済統計文献センターと欄外注記にある。1959年4月から1995年3月までいたという(http://rcisss.ier.hit-u.ac.jp/Japanese/introduction/tss/tss070.pdf)。

4.索引
 残念ながら戦前期については索引として独立して作成されたものはないのが現状である。
ただ,
(1) 内閣統計局:統計資料解題 全国経済調査機関聯合会 1936 571,46,8p
 の事項別索引が個々の統計表の表目を索引できるようになっている。
(2) 藤井知江子:明治期農業関係統計書目索引目録 農業総合研究所1962 259p 市販版;御茶の水書房 1962
 大橋博氏は当書を「たんに項目別の累年統計蒐集のさいに便利であるにすぎない。」と評しているが,戦前期の資料に関しては主題別のものでもこの程度しか存在していないというのが実情である。なお,
(3) 細谷新治:明治前期日本経済統計解題書誌――富国強兵篇――上の1〜3,下,補遺 1974〜80 5冊
 は収録の各統計書について統計表毎の表頭・表側を詳細に書き上げている。しかし,これに対しての索引は統計表題についてさえもないため通読しなければ該当の項目が発見できないという不便がある。実用には難点である。折角の労苦が惜しまれる。

おそらく「日本統計索引」あたりを考えながら高橋ますよ氏は云ってをるね。で、これは便利だけど戦後分しかなかったようなおぼえが。

いまでも「日本統計索引」は有効な部分があるんぢゃあないのかなぁ。
で、キーワードから微細な事物の統計数値がスグわかる「日本統計索引」の、戦前版になる可能性があったものが、上記末尾の『明治前期日本経済統計解題書誌』なのだ。
去年だか、実は統計索引が、べつに経済学にだけご奉仕するもんぢゃなく、じつは社会科学の下位である必然性すらなく、総記においていいんぢゃないかと気づいて以来、

にゃしてこれ以前はワードから統計数値を引く索引がないの(=゚ω゚=) 
100年以上、日本人はバカばっかだったの(*・ω・*)

と思ふてをったのだが、やっぱり、途中まではできていたのだ。
それが、『解題書誌』だったワケ。
これさぁ、現物見てみればスグわかるけど。
使えない…
せっかく、戦前の全国的統計書を総覧して、それらにのってる統計すべての細目を挙げているのに…
その肝心の細目を引く索引が、ない!
高橋ますよさんもいふやう、

通読しなければ該当の項目が発見できないという不便がある。実用には難点である。折角の労苦が惜しまれる。

なんといふもったいなさ。

付.統計関係雑誌の記事索引
 明治期のものは勿論大正・昭和期でも戦前の統計資料で留意しなければならない点は,現在のように統計報告としての形態をなしていないもので統計データの採録資料となるものが多くあることである。記述形式の内に統計データが含まれていることは時代を遡れば遡る程数多く一般的とさえなる。また,雑誌論文や記事中にしか発表されていないデータも多くみられる。
 明治10年代より刊行されている「統計集誌」「統計学雑誌」中によくこの種の資料が含まれている。「官報」もその点では十分調査すべき要のある資料である。
 索引の特例として,特に明治期に関係深い雑誌の記事目録を掲げる。
(4) 東京統計協会:統計集誌総目録1986 6,11,223 p
(5) 総理府統計局:「統計集誌」総目録その1〜12;統計局研究実報12〜22,24 (1963.3〜71.6,10)
これは(4)が統計集誌の刊行中に編纂されていて創刊より642号の分までしか採録されていないため,戦後統計局で創刊から終刊(754号〉までの分を号数]1慣に採録・編集して同局の雑誌に連載したものである。
(6) 一橋大学日本経済統計文献センター:統計学雑誌総目次第1〜690号1977
1冊
 「統計学雑誌」については1〜68号分以外は「統計集誌」のように刊行されている総目録がないため当センターの作業用として作成した。構成は(5) と同じである。
 また, 「官報」については各月別の目録はあるが,年別はない。月別のものは通常各月分の巻頭に添付されている。(例,内閣文庫蔵本)

戦前期の各種統計索引について、2010年代の日本図書館界歴史学界でも、なんでも可)が、1980年代と寸分ちがわない――ってか進歩せんかった――ことに慄然とするのである。
こんなんで、ナントカ支援も何もないもんだなのである。利用者も引けるDBやネットを――代行検索よろしく――引いて、レファサービスやっとるつもりになっとるのはちゃんちゃらおかしいのである。アフォである。んなもんはインターフェイスを改良し、それこそユーザ自身にやってもらえればよい。
そんなことより1980年代から一歩も進歩しとらんツールまはりの開発でもしてみろっての。
って、なんで2010年代わちきが怒らにゃならんの。
が、ここから始めねばならんのだなぁ…