書物蔵

古本オモシロガリズム

割愛を受けたる内線電話帳

斎藤昌三は自身でも書いとるが、「割愛」をしてまはりを喜ばせたんぢゃった。その美風は――ほとんど最後の――弟子たるいなてっちゃんにも受け継がれてをって、さる5月3日(土曜日)に第一次割愛を受けるべく参上した際、割愛されたのがいなてっちゃん云ふところの「NDL内線電話帳」。
ん?(・ω・。) 電話帳なんて集めてどうするのかってか<(; ^ ー^)
たしかにうなぎ屋でヌ氏が

電話帳なんて、究極の消耗品ぢゃ、ないスか(。・_・。)ノ

といっとったねぇ(´ω`*)

タケマエ先生の遺訓?

若いころのわちきが、この本を読んでいたと思いねぇ。

GHQ (岩波新書)

GHQ (岩波新書)

この本のどこかに、竹前, 栄治, 1930- || タケマエ, エイジ先生が、こんなことを書いていた。
正式の組織表でわからないことが、GHQの電話帳でわかることがある。たとえば、正式には廃止された組織がその後もしばらく活動していたりするが、それがわかるのは電話帳。

大規模館にはある電話帳

ははぁ、なーるほどと思ふてをったが、その後、縁あって図書館業界にかかわった際に、大規模館では、内線電話帳(表)が作られることに気づいた。
もちろんそれは、1枚きりの簡便なもので――帳といふより表――ちやうど普及しはじめたワープロによってつくられたものであったが、いまでも(そのコピーが)どっかにあるはず。
図書館は不思議な組織で、業務上といはんか、本質的に図書館として独立的に機能しちゃふのに、きほん、設置母体のサブシステムでしかないから、制度上うまく実態が正式の組織図に反映されない傾向がある。
たとえば、結構な非常勤をやとって大所帯であるのに、正職員が課長と補佐と係員のしかおらんとか。
って、これは、わちきが最初に這入った図書館のある課の話なのぢゃが、20人を超す大所帯の課だったけど、たしか正職員は3人しかをらんかった。
課長と補佐と係員がたしか2人。ん?(・ω・。) まてよ。いちおー嘱託としてその他の人々も職員名簿にのっとったっけ。
まあそれはともかく、なにかを歴史的に考えるとき、タテマエをおさえるといふのは当然としても、さらに実態に迫らねばウソだらう。
さういふわけで、図書館みたいなサブシステムには職員録より電話帳なのである。

さすが少雨荘の弟子Σ(゜∀゜;)

わちき:な、なんで、電話帳なんかとってあるんすかん?(*ω*;)´´
稲てつ:ン? だって、ぜんぶとっといたからねぇ…(´∀` )
わちき:さ、さうかあ(@_@;)

わちきはタケマエ先生の『GHQ』を読んでの「理」で注目しとったのだけれど、稲てっちゃんはさすが少雨荘の弟子、感覚でアプローチしてたといふわけ(。・_・。)ノ
あまつさへ、電話帳をつつんでいたタトウには稲てっちゃんオン自ら直筆で書き入れがあり、国会図書館における電話帳の濫觴について――だって彼は組織発足2か月後に入館――実見したことが書いてあるΣ(・ω・ノ)ノ!
これは図書館史上超重要な証言なれバ、次回の『文献継承』に資料紹介として紹介せねばならん(`・ω・´)ゝシュピ