書物蔵

古本オモシロガリズム

酒井潔(1895ー1952)書誌

話題となって久しい『エロエロ草紙』。
復刊されるとぞ。はたしてテキストの再印刷なる「復刻」なりや、それとも装丁も含めた「複製」なりや。

発禁本「エロエロ草紙」がカラー印刷で復刻 電子版が大人気
http:www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-1905-7.html
http:www.itmedia.co.jp/news/articles/1305/16/news128.html

といふのも、酒井本人は装丁に凝っていたらしいから。酒井の妻いはく、

書くまでが苦しそうでした。装ていをやっているときが一番楽しそうでしたよ。紙を切って台紙に貼ったりしてね。
本多真「エロエロ草紙」『書物が語る談奇人・酒井潔』 私家版 1994.8 p.97-101

とかとか
といふことで、酒井についての書誌をつくってみたo(^-^)o

酒井潔(1895ー1952)書誌

  • 『談奇黨』第三號「好色文學受難録」(一九三一年十二月)中「現代獵奇作家版元人名録」→2009
  • 『大正昭和艶本資料の探究』斎藤夜居 著. 芳賀書店, 1969 ※
  • 八木昇「略年譜」『悪魔学大全』(桃源社 1971) p.- (→学習研究社2003)
  • 河原淳「自由に生きた酒井潔」『体験的フリーライター案内』() p.- (1981.)
  • 吉村明彦「日本悪魔学盛衰記」『季刊 幻想文学』() p.- (1992.)
  • 本多真『書物が語る談奇人・酒井潔』(私家版)1994 p. ※コピー本。もと結社黒蝶で出版予定。著者は東京のサラリーマンにして古書コレクター。
  • 秋田昌美「グロテスク党の闘士たち:斎藤昌三と酒井潔」『性の猟奇モダン : 日本変態研究往来』青土社 1994.9 p.64-86
  • 『周縁のモダニズム: モダン都市名古屋のコラージュ』馬場伸彦 1997 p.97- ※八木昇の年表をなぞったもの
  • 「装幀から魔術考証まで 奇才・酒井潔」『発禁本』(1999) p.- (別冊 太陽 .)
  • 木本至「悪書の誇り 梅原北明『秘戯指南』 酒井潔『愛の魔術』(稀書巡礼 29回 )」『出版ニュース』() p.3 (2004.7.上旬)※装丁家としての側面を指摘
  • 末永昭二「酒井潔の個人雑誌『談奇』と「談奇群書」」『彷書月刊』() p.- (2006.1)
  • 金沢篤「『印度愛経文献考』周覧(2)―異訳・異本・異版の問題を中心に―」『駒澤大学仏教学部研究紀要』(64) p.135-186(2006-03)
  • 装丁家で探す本 : 古書目録にみた装丁家たち』かわじもとたか 編 杉並けやき出版 2007
  • 佐々木宏明「酒井潔を巡って」『初版本』(3) p.46-55(2008.3)
  • 『性・風俗・軟派文献書誌解題集成 ―近代編【第一巻】』2009/2010(複刻版pp.100-101)。
  • 広川英一郎「酒井潔」『南方熊楠大事典』松居竜五, 田村義也 編 (勉誠出版 2012) p.356-359
  • 永井良和ほか「昭和発掘 現在ダウンロード数第1位独走中!国会図書館蔵 発禁本『エロエロ草紙』の淫らすぎる図録大公開 接吻の流儀から裸体美容法まで 戦前ニッポン人のSEXが甦る」『週刊ポスト』45(14)=(2224) p.164-167 (2013.4.5) ※酒井潔『エロエロ草紙』について
  • 久松,健一. 明治大学図書館紀要明治大学図書館紀要. 13 pp.162 - 173 , 2009-03-31

文献探索プロセス

最初にNDLopacでにゃんとマニアック雑誌『初版本』(友人は全揃い)の記事をゲット。いもづるで本多1994。ググって末永2006。それを確認せんとて印刷博物館図書室OPACで河原1981、木本2004、末永2007。Mさんから直接、吉村1992、広川2012。ウェブオーやで永井2013。
並べてみれば、執筆者は皆、いつもの面々なれど、かうやって実際のリストにするのはむずかしかろ。

日記

拙ブログのかなづかひ、

原律子みたいなもんだ。いちいち訂正したって、しょうがあんめぇ

とMさんにいはれ、我ながら可笑しく、ゲラゲラわらふ(σ^〜^)σ