書物蔵

古本オモシロガリズム

遅刻ぢゃ〜 トチゲキだすっ!`・ω・´)o:或る司書の出勤風景

おことはり

次の記述は根も葉もあるフィクション(ウソごと)ぢゃ。
新旧かなづかひが混在するのハ、主人公の意識の混濁によるものなのぢゃ。
また「ヤヴァシ」「モーレツ」など後代の表現がみられるのはタイムトラベルによるアナクロニズムであーる(`・ω・´)ゝ

もやもやーっと思ひだす

ん?(・ω・。) ここはドコ?( ・ o ・ ;) わちきはダレ?(*´д`)ノ

と、タイムスリップしたるは昭和三十年代。東京は半蔵門あたりを走るバスにわちきは乗ってをったのぢゃ(">ω<)っ))
もやもやーっと、記憶がよみがえってくるなり。
ん?(・ω・。) さうぢゃ、これからわちきは国会図書舘に行くのぢゃった……。
本でも読みに行くのかってか?(σ・∀・)σ
いやサ、そんなアタリマヘのことをしに行くのではないゾ(  ̄▽ ̄)b なんと、勤めにいくのぢゃ。
わちきハ若き国会図書舘員。これから登庁するところであったことを思ひだしたのぢゃ( ^ - ^ ; )
省線、ぢゃなかた国電から都バスに乗り継ぎテ、見えてきたるハまへの赤坂離宮。ここは戦前、下々の者は這入れぬところぢゃったが、アメリカ様ってか進駐軍がやってきてから国会図書舘となりテ、その東半分(むかって左半分)が図書館として転用されたのぢゃ。ちなみに向かって右は法務庁ね。

ホントは三宅坂や上野にも図書館の分館があるンだけれど、こっちのほうが施設はゴーカ、ってか比べ物にならん。上野の図書館はまへの帝国図書館だけれども、予定の1/3しか建たんかった未完成品で、三宅坂のチョーリツ(リサーチ、つまり調査と立法レファレンスをやるから「調・立」とか)は、建物としてはバラックみたいなもんだしねぇ。こっちに勤めたほうが断然華やかなのぢゃo(^-^)o サークル活動(もちろん職員の)も盛んだと聞いたし、楽しそーだから赤坂勤務が若いわちきにはピッタンコなのぢゃ。古い本はぜんぜんないけどねッ(o^ー')b

バス停から

もへもへーっとそんなことを思ひだしているうちに、バスガールのねーちゃんの「次はコッカイトショカン前でございま〜す」と言ふのがきこえてくる。
でもこのバスには同僚は乗ってをらん。ちゅーのも、きのふ、風呂がへりに貸本屋に寄ってマンガを借りたらオモシロく、ちと夜更かしをしてしまったのぢゃ。寝坊ぢゃ。ヤバイっち!`・ω・´)o

ボンネットバスガックンと停まったのでアワテテ降りる。このバス停はたしかに国会図書舘前なのぢゃが、降りてみると、延々と入口まで前庭がある。門から建物の入口までがひろーいったらないのぢゃ。まにあうかすらん(*´д`)ノ
門のほうをみると……。

うげげっ! 監視(守衛)しかをらん!(*ω*;)´´ ますますヤヴァシ(^-^;)

とて、トチゲキ開始ぢゃ(`・ω・´)ゝシュピ
行き交ふクルマをよけつつ(とはいへ、交通戦争のまへなのでさほどでもない)、門にとびこむと、ゾロゾロと歩く隊列が見える。

「おーい、待っちくりー、いっしょに遅刻すべぇ」と叫ばんとするも、

ん?(・ω・。) 思ったより最後尾は離れてをらん。この分なら大ジョーブかな(^-^;)

と安堵しつつ早歩きでトチゲキ開始。はてさて、めでたくセーフにあいなりますかどーか。
って、門を這いったンなら、もー大ジョブぢゃないかってか(^-^;)
さにあらず・さにあらず(* ̄∀ ̄)"b" チッチッ
建物内の出勤簿がある場所にスベリ込んでこそのセーフなのぢゃm9(・∀・)ビシッ!
この図書館、ってもお役所だから工場とハちがって出勤簿にハンコを押して出欠をとるのぢゃ。ポツダム官庁だから古い伝統のない民主的なお役所なんだけど、それでも出欠ぐらいはとるんぢゃよ。まあ、伝統がなく「民主的」とはいっても、単に寄せ集めでぐちゃぐちゃしとるだけなんだがのー。廃止官庁やら縮小官庁やらからドバちゃっと余剰人員が移ってきた典型的な「ポツダム官庁」ぢゃ。
ただいかにも「民主的」だなぁいふところがあって、それは同僚を呼ぶ時「○×さん」と呼ぶところ。
え? そんなの当たり前ぢゃないか?
いやいや(  ̄▽ ̄)
上司など役職者も全員「○×さん」と呼ぶことになってをるが民主的ぢゃ。タテマヘでなく実態として。ゆえに「○×課長」も「○×部長」も、「○×さーん」と呼ぶのぢゃ。古い官庁から来たオエライさんは不満そうぢゃがの。
っと、話を戻して…(^-^;)

出勤簿

そうそう出勤簿。これにハンコを押してはじめて出勤したことになるのぢゃ。
と、あたかもよし、出勤簿置き場にみながワンサとあつまってをろう↓

どうぢゃ。みな続々入ってきてはハンコを押してをるぢゃろ。混み混みo(^-^)o
出勤簿には、

出勤簿 昭和三十年度 一般考査部

などとあるから、部で1冊につづられているのぢゃ。ちなみに一考部(いっこーぶ)はgeneral reference departmentのことね。なんてことはない、英語ぢゃあフツーの言葉。
さて、ハンコを。。。
ん?(・ω・。)

ない、ない、(*ω*;)´´ はんこがないっ!(+o+)

なーんちて(σ^〜^) 印鑑を忘れてもダイジョーブ(o^ー')b

印鑑を忘れた方は、本簿〔略字〕に氏名を記入し後刻係員に連絡の上出勤簿〔略字〕に捺印して下さい。 管理部人事課

という綴りが、見えるぢゃろ(σ・∀・)σ

通用口まへニテ、モーレツ・ダッシュ

じつはこの出勤簿置き場に入るにあたっては、向かってイチバン左のところの通用口から入るのぢゃ。

みないそいそとかけこんでおるぢゃろ(σ^〜^)
ギリゴリの時刻になると戸を閉めらりちゃうのら。
まっちくりー、とて職員が総とちげきするのぢゃが、閉める人も人の子。手招きしてくれる人もいる。手招きしてくれて、こっちもあわててかけていく間は戸が閉まらん(正式には閉めている途中を継続する)とゆー運用ぢゃ。

ん?(・ω・。) けふは親切な○×さんが戸をしめんとて、こっちみて手招きしてくれている(・o・;) ヤッタネ(o^ー')v  あしたはホームランだ!ヽ(。・∀・)人(・∀・。)ノ

それ行け!

とてモーレツ・ダッシュぢゃ!`・ω・´)o
ん?(・ω・。) ちと時代がちがうってか(;´▽`A``
それはともかく…
(〃´o`)=3 フゥ なんとかまにあったよ…(*゜-゜) ハンコを押せばこっちのもんだ(・∀・) これで一日なんとか暮らせるっちよo(^-^)o
とりあへず事務室行って茶でものむべぇか。茶は茎だらけのデガラシみたいなもんだが、ただで飲めるからね ぃぇヽ(。・∀・)人(・∀・。)ノぃ
と…
さうさうヽ(o`・∀・´)ノ.
じつはここだけの話、戸が閉まっちゃっても最後の手段があるのだわさ(o^ー')b
それは出勤簿のある通用口へこずに中央の入り口を突破するというもの。
そして出勤簿を事務室へもって帰る人事課員の若いのを廊下でつかまえて、ハンコを押すっちゅうモノ(;^ω^)
まぁさういったのにキビシクあたる人事課の服務係もいて、そのせいかどうか、職員の遅刻の恨みのせいで服務係員は早死にするって、もっぱらのうわさダヨ(実際、そうらすぃー)
さて、けうはたしかダンスサークルが夕方にあったっけ。もと宮殿だけにダンスする部屋にゃことかかないのだ。

ボーンボーン

ん?(・ω・。) ハンコ押して部屋に来てから十数分しかたたないのに柱時計がなりだしたよ(σ^〜^)

ボーンボーンボーンボーンボーンボーンボーンボーン

いま何時?(・∀・)
主日本さまさまぢゃ。(おしまひ)