書物蔵

古本オモシロガリズム

阿部, 芳治‖アベ,ヨシジ bio-bibliography

NDLの名称典拠は、阿部, 芳治‖アベ,ヨシジ と読んでいるが、根拠はなんだろうか? 戦後、本格的に名称典拠ファイルが整備されるようになるまで(いつだろう? 昭和20年代か?)、名称(おもに人名)のヨミについて、NDLの典拠ヨミは、常識よみらしく、あまりアテにならず。

かきかけ
ca.1895.2.13 出生 おそらく仙台 誕生日は阿部(1933:163)から判明 兄弟あり
ca.1910 仙台在住 仙台第一中学校を出る 斉藤七五郎海軍大将と同窓
1913 北海道金融小史 [1913] [104]p.(小樽商業高等学校産業調査報告書;大正2年度) ※夏期休業時の報告 小樽商科大学経済研究所史料部蔵
ca.1915? 博文館に就職 「「一生の仕事」ときめてゐた出版業」父は「賛成でなかった」阿部1933;p.1
1925 「大西教授の思出」『北方日本』第4巻第3号(1925.3) ※北海道立図書館蔵
ca.1928? 生命保険業へ転職 朝日生命
1931.6 『校正往来』(2)に寄稿
1931 「活字文化の展望」『商學討究』6(2) p.417-471 (1931.10) ※ネット上に本文あり。森洋介氏の読みによれば、当時でてきた「ラジオ文化」に対して阿部がつくった概念が「活字文化」ではないかという。
1931.11 社内報『ほしかげ』創刊。「読書についての断想」を連載。筆名「喬樹郎」
1932.3.15 父死去(東北帝大病院)
1933.3 讀書についての斷想 / 阿部芳治著. -- 東京 : 阿部芳治, 1933.3. -- 3, 3, 184p, 図版2枚 ; 20cm ※並装250部、布装50部 父の一周忌本。
1933.6 『「読書についての断想」によせられたる書翰集』 (ほしかげ;号外私冊)
1934 小樽市之圖 / 阿部芳治作[地図資料]. -- 阿部芳治, 1934.3. -- 地図1枚 ; 40x55cm (折りたたみ20cm). -- 注記: [縮尺決定不能] ※日文研
1935 仙台市街全図 彩色石版刷 阿部芳治、昭10 ※日本の古本屋 岡本書店 3,150円
1940? 「祖先の記憶」『経済知識』20(8) ※日本の古本屋過去データから
1952 『ほしかげ』朝日生命文芸部復刊

『ほしかげ』(号外私冊)に寄稿の人々

このうち、書評された本の著者はこの本の献呈に対する答えで知り合いになった。それ以外は、学校時代の恩師、博文館時代の上司、出版・印刷関係者。

星野準一郎 博文館専務 東京高等商業で端艇部の舵手だった
田中熊次郎 田中, 熊次郎 (1909-2004)‖タナカ,クマジロウ
渡辺龍聖 初代校長(1921年11月 - 1935年5月小樽高商)
長谷川誠也 長谷川, 天渓 (1876-1940)‖ハセガワ,テンケイ、長谷川, 誠也 (1876-1940)‖ハセガワ,セイヤ 文芸評論 東京高商出。博文館営業部での同期。
松田新
森暁紅 森, 暁紅‖モリ,ギョウコウ 森, 庄助
石原央
神代種亮
内ケ崎作三郎 内ケ崎, 作三郎 (1877-1947)‖ウチガサキ,サクサブロウ評論家,衆議院議員
宮原晃一郎 宮原, 晃一郎 (1882-1945)‖ミヤハラ,コウイチロウ北欧文学
土岐善麿
浜田徳太郎 浜田, 徳太郎 (1883-)‖ハマダ,トクタロウ 『太陽』主幹 紙研究
谷中吉
清水良雄 清水, 良雄 (1891-1954)洋画家
寺田寅彦
森下雨村 森下, 雨村 (1890-1965)‖モリシタ,ウソン翻訳家
荒川惣兵衛 荒川, 惣兵衛 (1898-1995)‖アラカワ,ソウベエ外来語研究
高島佐一郎 高島, 佐一郎 (1884-)‖タカシマ,サイチロウ経済政策
故出口豊泰
薄田泣菫 薄田, 泣菫 (1877-1945)‖ススキダ,キュウキン
小宮豊隆 小宮, 豊隆 (1884-1966)‖コミヤ,トヨタ
長谷川浩三 長谷川, 滔浦‖ハセガワ,トウホ
前田河清 仙台一中時の先輩
武田英一 武田, 英一 (1881-)‖タケダ,エイイチ国学院
宮崎大四郎 宮崎, 郁雨 (1884-1962)‖ミヤザキ,イクウ
田中敬 田中, 敬 (1880-)‖タナカ,ケイ
上野精一 上野, 精一 (1882-1970)‖ウエノ,セイイチ朝日新聞社社主 神代種亮が読売に載せた書評を見て注文したらしい。他にも20通ほど注文が来たがことわったとある。
辰野隆 辰野, 隆 (1888-1964)‖タツノ,ユタカ 面識がなかったが献本したら返事が来たとある。
苫米地英俊 苫米地, 英俊 (1884-)‖トマベチ,ヒデトシ商業英語
岡倉由三郎 岡倉, 由三郎 (1868-1936)‖オカクラ,ヨシ 英学。荒川そおべー宛て2部のうち1部をもらったとあり。
布施政一 小樽の古本屋。同窓? 手許の1部を売ってくれという古本屋がある。客で「書誌は何でも集め」る人のため余部1部を送られたしと。『北海道短歌事典』に「大正初期ころ「文章世界」、「早稲田文学」などで活躍。戦前から小樽市内で古書店を経営。「北国文壇」、「オリーブ」、「くろばあ」、第二次「新樹」などに投稿。
翁 玄旨 早稲田高商出。博文館営業部同窓。
南亮三郎 小樽高等商業教授。おそらく同窓。