書物蔵

古本オモシロガリズム

「古本者」の語誌

原始「愛書家」だった古本ずき(古書コレクター)が、いま「古本者」と呼ばれる由縁(理論的根拠)をさぐるエントリをあげかけたが、そのまへに初出をさぐらねば、とて調べてみた。
実は、語釈がネットにひとつあって、それがわが(?)はてなのキーワード。

古本者 ふるほんもの (読書)
度を過ぎた古本愛好者の自虐と韜晦を込めた自称。SFファンの自称「SF者」から派生。
(http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C5%CB%DC%BC%D4)

どうやら2001年ごろ立項されたエントリらしい。ただ、立項者が隠されとるので直接、典拠を訪ねられん(*´д`)ノ
しょうがないので自力で「古本者」の初出をしらべてみた。

1999年ごろ?

ネットの世界は「今」しかない。そんななかで歴史的な事象をさぐるのは大変ぢゃ。グーグルをそのまま引いたところでなにもわからん。
そこで、いつもの検索戦略でやってみた。まず、雑誌のタイトルにないか、雑索やFujisanを引く→no hitぢゃった。
で、しょうがないのでブログ系をいろいろ検索してみた。そしたらどうやら1990年代末からのものらしい。
たとえば1999年に、ミステリ収集家周辺で使われている。

kashiba さん (kashiba@ann.hi-ho.ne.jp) 1999年 09月 03日 05時 23分 04秒
(略)
>ぎくっ!。た、確かに私の書斎兼書庫には、*床に人が通るための通路*が
>できていますが<古本で。
 それは、立派な古本者ですね(笑)
 「書斎兼書庫」という言葉に羨望の眼差しを送られる方も多いと思います。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/6003/bbs002.htm

はてな」界隈では、SF収集家らしい「司書つかさ」氏が2001年に使用しているのが初期の例。

それと、古本者は今週の『ギャラリー・フェイク』を読むこと。
http://d.hatena.ne.jp/ShisyoTsukasa/20010219/p1

広まったのは2005年前後

広まったのは2005年前後であるらしい。
たとえば、古書蒐集で有名なSF作家の北原尚彦氏は日記で2004年に使っている。それまで何年も同様の日記をしるしているのに、古本マニアの氏が使っていないということは、やはりこの頃から広まり出したということか。

〔2004年〕10/25(月)午前中歯医者へ。午後、神田の古書即売会へ。
三省堂本店主催の喜国雅彦氏と日下三蔵氏のトークショーへ。
古本者にとっては至福の一時でありました。
http://homepage3.nifty.com/kitahara/

ちなみに、わちき自身が使ったのは2006年のこと(*´д`)ノ
オタどんは2007年(^-^*)

とりあへずの結論

1999年ごろ、SFやミステリのファンの世界で使われはじめ、2005年前後から広がり始めた言葉といえようか(゜〜゜ )