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古本オモシロガリズム

ある人名事典についてご注意

オタどんも使っておる人名事典。
近代日本社会運動史人物大事典 / 近代日本社会運動史人物大事典編集委員会編. 日外アソシエーツ, 1997
これ、1万5000人(項目中も入れると2万を越すという)もの人物が、立項されている労作。
なんだけれども…
中田邦造を引いたら載ってて、びっくり(×o×) けど、要するに特高月報の記事を要約しただけ。生没年不明の人物になっちゃってる。オタクな日本図書館史じゃあ、とびきり有名な人物なのに(´・ω・`)
竹内善朔も立項されとる。
が…
やはり、後半生の、日本図書館史でそこそこ有名な活躍については一言もなし(´・ω・`)
もちろん、とりあえず広く人物を拾ってくるという編集方針はほめられこそすれ、とがめだてする気はあんまないのだが、使う際には注意が必要。
生没年不詳など明らかに情報量がすくない人物にあたった場合、それは、ほんとうに無名の人物か、あるいは他分野でそれなりの業績があるが社会運動研究家には知られていない「半有名人」であるかのどちらかであり、「半有名人」の場合、『近代〜』の記述をうのみにしてはいけないとうこと。ただ、半有名人なのか無名人なのかのあたりは、各人の勘にたよるしかないのだけど。
この『近代〜』の欠点を補う関係にあるのが、アナ人名事典じゃ。
日本アナキズム運動人名事典 / 日本アナキズム運動人名事典編集委員会編. ぱる出版, 2004.4
収録人数は3000人だけれども、よく作りこまれている感じ。
中田邦造こそないが(って、あたりまえ。彼は主義者じゃないからね)、竹内善朔(善作)についてはキチンと記述されている。