書物蔵

古本オモシロガリズム

大佐三四五(おおさ・みよご)についての論文をみて

図書館界」を入手す(わちき会員じゃないよ)。埋もれた事実の掘り出しは労作なるも,うーん。「論賛」部分がおおすぎ。それにどうもわちきと著者と図書館史に対するスタンスがことなるみたいで,事実関係においてはまったくそのとおりなのだろうと了解しつつ,ぜんぜん逆の論賛をしたくなったなり。たとえば中田邦造のしたこととプランゲのしたことはまったく同じなり(占領地から検閲図書を本国に送った)。中田が悪ならプランゲも同様なるも,わちきはむしろ両者ともにlibrarianship or collectorshipがあったのね,と誉めてやりたい気持ちなり。べつに全部燃しちまったって,当時は誰も文句言わないなり。どんな体制下で生きるかはなかなか選べないなり。そのなかで少しでもlibrarianshipを発揮したかどうかで論賛をしたいと,わちきは思うなり。
あと,妙に律儀な日本人が返したことになってる本がまだ日本に残ってるかも,と書いちゃうのは,赤旗に,まだあるにちがいない,と憶測を述べた山崎元さんと同じになっちゃうなり。とりあえず学術っぽくやるには,論賛を少なくするのがよいなり。
↑画像は,大佐『図書館学の展開』奥付なるもボケボケなり。ボケてるなり。