書物蔵

古本オモシロガリズム

読書史

オタどんに触発されて新史料――川柳を読書史に転用すること

オタどんに触発されて、新しく史料を開発せんとて、川柳の本を読んでみた。いろいろ開発できたのでここにメモる也。ここに出てくるGHQの検閲官前山北海・古川魔花麗は日本人と言っても、ハワイ移民か。古本屋だった川柳家麻生路郎 - 神保町系オタオタ日記 ht…

児童書研究と大人の本研究

子ども、というと、囲い込んで保護する、ということになる。その伝でか、研究も子供研究は、一般のディシプリンから切り離されて研究される傾向がある。大人の文学は文学一般で、大人の風俗は、民俗学や風俗史で、大人の心理学は心理学一般で。それに対して…

本をみんなで楽しんだ明治大正の魚山村:『「本読み」の民俗誌』

近視眼的に考えると、本は個人で自由に勝手に黙って読むもの!と言ってはばからないむきもある。しかし、歴史的にはどうだったか。ラジオやテレビから類推すれば、本でさえそうでなかったことが想定され、それを実証するのが本書、ということになる。 民俗学…

エアフィックス社のカタログにプラモ受容史の片鱗を見る

ブックカバーチャレンジ最終日 プラモメーカー、エアフィックス社のカタログ むか〜し実際に見ていたものは、これより少し前の版だけど、これらはしばらく前、高円寺の週末展で安く拾ったもの 刊行は1970年代の前半かなぁ… カタログ類は刊記がないのが困る …

洋ピン誌のうち、いちばん上品路線だったDICK

まだ日が高いのにすまんが ブックカバーチャレンジ6日目 1984.12創刊号 これは、インターネット普及前には3,4誌あった洋物ピンク雑誌、略して―洋ピン誌―のうち、いちばん上品路線だったもの(σ ・∀・) どんなジャンルであれ複数誌が成立していたとすれば、…

大正時代は読書の転換期なのぢゃ

武藤直治「現代読書人気質」『新刊図書雑誌月報』13(5)p.1-3(1926.5)

待合読書の一種?ーラーメン屋読書

キングビスケット先生が、わちきがいつも疑問に思っていながら、手をだしかねている事柄について、問題提起をしておられた。こういうマチの中華や定食屋にマンガ雑誌やマンガ本が並ぶようになったのっていつ頃からなんだろ(´・ω・`) https://t.co/ScqiaoIXIo— …

「正統的な読書」という概念

森さんに、面白い概念が提示されておるよ、とかなり前に言われてメモするなり。 前田愛「近代読者の成立」〜が指摘して以来、黙読が日本人の読書の型をつくったという説があり、これが明治後期以来の教養主義的な読書論としてひろまった。永嶺重利「”読書国…

エロ本はどこに入るのか

3日午前1時記載。 さっきツイートしたことは、実は金曜に兵務局さん相手に論文の材料とて語ったことがネタになっとんのぢゃ。 読書史を考える時、教育:教科書、副読本 学問:人文書、学術書 仕事:技術書、法令集、医書 生活:料理書、大工入門、家庭医学 …

高等貸本屋(新式貸本屋)は共益貸本社が最初?

『東京百事便』を見ると、共益貸本会社(京橋区三十間堀一丁目)が「府下に於て内外書の貸与を初めしは此社を以て嚆矢とす」としてる。 前日のM語録 18世紀末、出版物の大量生産が始まり、大衆も本を読むという読書革命が始まる。精読から散読(≒多読)へ…

ステーキを食べる:ものからことへ

ステーキを食べようとて、森さんを誘ってステーキ屋へ。 蔵書整理で間違って買った副本を進呈す。読書と読者 (本の文化史)作者: 横田冬彦出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2015/05/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る森さんがこのタイトル…

ツイッター上の車中読書論

PR雑誌、グラフィケーション、1968.10で、新書版は車中読書に適すとぞ(´・ω・)ノ昭和前期、啓蒙書として開発された新書版、昭和後期に、車中読書に転用されていくのだなぁ「ノベルズ」などはまさに小説の新書版 https://t.co/BIDZRFhuxx— 書物蔵:古本オモシ…

三号雑誌、積読

森銑三「閑讀雑抄」日本古書通信. 39(1)(534)/p2〜5 1974-01 三号新聞 三号雑誌といふ言葉も、近頃とんと耳にせぬやうであるが、その語が滅びたといふわけではあるまい。明治十一年三月二十九日の読売新聞にう、三号新聞の名の見えてゐるのには、これにも驚…

絵草紙屋→絵葉書屋、貸本屋→雑誌回読会

森サンがいうように、やっぱりこれが、近代日本出版史の基本書なんだなぁ… 出版興亡五十年 / 小川菊松 著. 誠文堂新光社, 1953 ちゃんと、近世から近代初頭にかけての重要な読書装置、貸本屋についてどの企業に注目すればいいか、これからわかるよ(´・ω・)ノ…

なんだ、小説貸本所っていったのかぁ新式貸本所でないとこは

明治大正諷刺漫画と世相風俗年表 / 岩崎爾郎, 清水勲. 自由国民社, 1982 - 131 ページ 66 ページ 貸本所はやる江戸時代からあった貸本屋は本をかついでお得意さんの家まで届けていたもので、明治^年代まで統いていた。印刷が発達して本が安く買えるようにな…

公共図書館の冒険を読んで

第2章 図書館ではどんな本が読めて、そして読めなかったのか 森サンと当該章について話していた。 その時に、レンタル、ということでいえば、レンタル専用コンテンツが開発された、ということが大切とて、街のビデオ屋はそもエロビデオのレンタルを当初主軸…

ほぼ全員が個人的読書をやることの意味づけ

書物蔵:古本オモシロガリズム ‏ @shomotsubugyo 3月15日ほぼ全員が個人的読書をやることの意味づけは。 一部の知識人、庶民の一部が読んでいることの意味付けとは異なるのだろうなぁ。庶民の大半も個人的読書をするようになったよ、とツイートしたら、いや…

三四郎の帝国大学附属図書館

書物蔵:古本オモシロガリズム ‏ @shomotsubugyo 2 時間2 時間前三四郎は、 「そうして図書館にはいった。広く、長く、天井が高く、左右に窓のたくさんある建物であった。書庫は入口しか見えない。こっちの正面からのぞくと奥には、書物がいくらでも備えつけ…

「立読み」の概念整理

「立読み」の概念整理 日国を引くと「立ったままで読むこと。特に、書店の店頭の本を買わないで立って読むこと」とあり、1946年の用例が示されている。 同じ漢字表記で「たてよみ」という語も立項されており、こちらは「名調子で読むこと。調子をつけて、よ…

東京芝浦電気鶴見工場で山口文庫をやってた高橋慎一

書物蔵:古本オモシロガリズム‏ @shomotsubugyo書物蔵:古本オモシロガリズムさんが兵務局をリツイートしました総力戦のもとで、企業まるがかへとか、農村読書とか、福利厚生がすすんだんだよなぁ…まだ100歳ごえでご存命の梶井重雄先生を先兵に、中田邦造に…

警察だってバカぢゃない―当時、どこで本が読めたか?

奥平が「いわゆる「特殊取締」という管区内出版物の一定期日における一斉調査」といっている「地方庁」(具体的には県警)ごとの「出版物一斉取締」 無記名「特殊取締状況」『出版警察報』(99)p.68-76(1936年12月) これを見ると、どこに出版物があったか…

「ベストセラー」概念の戦前史:あるいは「大売れ本」「多読図書」

書物蔵:古本オモシロガリズム‏ @shomotsubugyo 3 時間3 時間前書物蔵:古本オモシロガリズムさんがhisabillyをリツイートしましたアダルトゲームのベストセラー統計はどうなってゐたんだろ(。´・ω・)?書物蔵:古本オモシロガリズムさんが追加 hisabilly @x_h…

昨日の「読書論」論

全体印象or図式として a 庶民が娯楽書を欲望するか否か に見える。むしろ b 流通システム、マーケティングの問題として 見立てたほうがいいのでは。 洋書や学問書なども貸す点が「新式」とされる。

立読み史資料

新生の「三和」を背負い立つ人々 : 顔触に見る新興の意気 大阪朝日新聞 1933.8.23 (昭和8) 森信君は四十三年の東京帝大政治科出で鶴見祐輔君あたりと同級、学校を出ると直ぐ山口に入り大正十三年には取締役兼東京支店長として腕を揮った。〜しかも俳句に興味…

官能小説は車中にて読まれるよし

前田愛のオモシロ証言(´・ω・)ノ 前田 宇能鴻一郎の作品はだいたい週刊誌か、タブロイド版〔ママ;判〕の「ゲンダイ」にのるわけですね。あれを読むのは満員電車の往き帰り。誰でも痴漢になりかねないようなうっというしい状況にある。だけど、みんな勇気が…

昨日の「読書論」論

古本者らとの楽しき会合の際、改めて森さんに読書論の論を張ってもらう。 a 観念的読書論と経験的読書論というセットでの整理、 b 読書はもともと全て観念世界(非現実)を経験するものであること(それがたとえマニュアル本の読書であっても) c 読書経験は…

全読書を類型にわけられないか

派生して話しておいたのは。 全読書を類型にわけられないか。 明治初めに新聞を購入し「つづきもの」を読む 大正前期に『講談雑誌』を買って読む 戦後期に貸本屋で貸本小説を借りて読む 昭和元禄にキヨスクで週刊誌を買い通勤途上で読む 昭和後期に『少年ジ…

読書史と貸本屋

書物蔵:古本オモシロガリズム‏ @shomotsubugyo 9月29日自己紹介改訂 古本蒐集家。古本史、古本屋史、図書館史などに興味。警備員、出納手などを歴任。元司書。いまはせどり師??? 下記ブログ閉鎖中 ↓ 古本コレクター。読書史、古本屋史、図書館史などを研…

ぬすみ読み

この業界用語は今もつづく立ち読みのことで、大正末期の円本以前に、銀座の有力書店が立ち読みを禁じたことから始まる。定価販売と省労力の対策には店番店員を減らして立ち読み追放しかないと、店主が自ら立ち読み族に叩きをかけて追い払った。追われた彼ら…

読書史の基本書らしい

昨年、森サンにおそはった(´・ω・)ノ メモがでてきた。 The English common reader : a social history of the mass reading public, 1800-1900 / Richard D. Altick.. University of Chicago Press, 1983, c1957. ix, 430 p. ; 22 cm. ISBN 0226015408 UG11…