書物蔵

古本オモシロガリズム

2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

赤堀又次郎 1866-1943?について

記事に感心したので、チト調べてみた。著書がたくさんのわりには、情報が少ない。『文芸年鑑』の名簿が昭和10年版から文芸家から文筆家に拡大され、そのおかげで赤堀は昭和12年版から出てくる。 赤堀 又次郎 牛込区加賀町二ノ二 慶二生、愛知県 明二一東大、…

日本における「年鑑」成立の歴史

皓星社の雑索などを使っていくつか文献を見てみたんだけど、別途調べていた「出版年鑑」についてのものが意外にもいちばん役立った。 出版年鑑の刊行/赤堀又次郎 図書月報 27(8) 昭和4.8 p.171-174 〔組合版〕出版年鑑の初版が、近く七月に発行せられた。(…

年鑑とは何か:先行文献の読解から

http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20110627/p1 のつづきね 年鑑についての本というのは、森さんも指摘せるように、代表は『日本年鑑総覧』(1987)である。がしかし、森さんのいうように、この本、概念規定をせずに、川上和秀という書誌研究会のメンバー…

山中湖東大生溺死事件(1984)

つれづれに猫猫先生ブログの過去記事を見ていて、事件直後、行事を主催してた学生たちがかん口令を布いていたのではないかと当時の教官がいっていたというが、関連ありそうな記述が。 もう一つ、気になったのは、事故後の学生たちの対応である。 六人がコン…

初期の図書館報

因みに云ふ同館よりハ是まて季報と題し毎三ヶ月に一回報告を出せしか自今同館内の実況増加目録等は我月評雑録欄内に時々掲載することと志多り (『出版月評』(8) p.11 (明治21.3)) 専門誌『図書館雑誌』が成立する前にも、館報はあって、それはたとえば『…

あーあ、学術論文

根本先生らが、有川浩「図書館戦争」シリーズを題材に、かなりトンチンカンな論文を日本図書館情報学会の学会誌に発表していた。宣言成立時の歴史的経緯と、図書館戦争は関係ないのに。典型的な並列主題にしかなってない。しかし、こんなもん査読「論文」と…

無料になる中国の図書館 島崎英威 出版ニュース (2011.6下旬) p.23

著者はしばらく前、人民日報ネットで「広東省の図書館が無料開放」という記事を見ておどろいたのだという。社会主義国は社会インフラがタダだと思い込んでいたから。「しかし良く考えてみれば、(略) 〔ありとあらゆる社会インフラに〕「金」と「顔」がもの…

「年鑑」の黄昏に、「年鑑」の黎明について述ぶ

わちきらの世代は、前半生がネットのない時代をすごした。これは、長期的なメディア史を展望するうえで、かなり(というか絶対的な)有利さとなっている。 もちろんネットのない時代は、中間共同体が一人勝ちして言説上息の詰まる思いをしたことも多々あれど…

近代書誌トキワ荘

きのふのご主人との約束をせねばなぁとて、なにもせず、けふは昼間までほげほげと暮らす。 すると友人より高円寺へ進出せぬのかといふ電報来る。 なれば、とて15時ごろ高円寺へ。 案の定、森さんもいたので、そのまま新規開店せる古書店へ。 大学生のころ中…

これはびっくりΣ(゜∀゜;) 館外奉仕史の通史(ただし出羽守)

めづらしく金沢文圃閣主人が上京しとるので、日本近代書誌懇話会(仮称)の飲み会。けふはぐろりやさんも参加。ぐろりやさんには、多田二郎とか丸山, 信 (1929-)‖マルヤマ,マコトの話を聞く。と、ぐろりやさんが高円寺?で150円で拾ったとかいふ次の本をいた…

出版業界紙の歴史

布川さんの出版事典に、戦前の出版業界紙(当時は、内報とか通信といった)の情報があったんだけど、少し補正せねばならないようである。 『出版タイムス』 1922.11- 大阪(S5?-東京) 村田勝麿 ※戦後、詐欺事件(読売1960.3.24)を起こした(株)出版タイム…

書誌・図書館史メモ

映画通検閲官の死 立花高四郎氏 映画評論家立花高四郎氏は一月八日脳溢血で逝く。氏は元警視庁検閲係長、神楽坂署長で、在職中から映画研究家として活躍、昭和八年退官文筆生活に入り、最近は満洲映画協会嘱託として満洲の撮影所建設準備に努力していた。(…

「書評」なる語の定着は、やはり、昭和6,7年あたりか

書評乎、論争乎 書評と論争は如何に異る乎、一個の著書に対して書評を試み、其批評せられたる著者が批評者の言の妥当ならざるに不満を抱きて批評を遣り返すことによりて論争を惹き起すことがある。此の場合の批評は其書物全体に対する学問的価値を問題とする…

書評について昭和4年の記事

ブック・レビュウ (文芸年鑑昭和4年版p.304) 新刊書籍に対する批評は、従来の所謂「新刊紹介」のほかに、特に各新聞が相当に力を注ぐやうになって来たが、これは良書に交って悪書も可なりはびこってゐる今日の出版界にあって、読者の為にまことに悦ぶべき…

にき

けふは午後、思ひもよらぬ来客あり嬉しぃぇヽ(。・∀・)人(・∀・。)ノぃ ついつい、今のわちきの問題意識をアツーく申しあげてしまふ( ^ - ^ ; ) つい。。。ね(^-^*) だって、日本図書館業界の、ほぼ100年にわたる米国図書館界の基本コンセプトの輸入の失敗にき…

けふは稲徹っちゃん

みなでいくのぢゃ、わいわい

きのふ

秦川堂の目録から2点注文。やはり電話をかけるべきだったかすら(*´д`)ノ

手塚と絵引き

u-senくんから借りた浪速書林の古書目録「書誌」特集号でもりがり、マンガ文献研究』の次号記事を森さんが断った件などを話し、以前の絵引きの話。 マンガ研究って、まだ「絵引き」がないのではないだろうか、という話を森さんがした件。 で、絵引きの実際の…

書物誌の別の言い方

土岐善麿と図書館作者: 大伏春美,大伏節子出版社/メーカー: 新典社発売日: 2011/06/08メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 40回この商品を含むブログ (2件) を見る森さん経由で曾根先生からいただいだこれを見ながら、曾根博義先生のとこに…

高円寺「大均一祭」にてプレミア本を200円で拾うこと

午後からなれど高円寺古書会館の均一祭。均一祭はその値段の安さ(初日なんでも200円、次の日100円)によるのか、それとも荷物を預からないことによるのか、普段の即売会より一般人が多い。わちきが行ったときも、明らかに古本に無縁そうな若いアヴェクが、…

イノショー先生の「裏街道文献」論

この文献について思ったこと。 「基調講演 私の図書館利用法」『私立大学図書館協会会報』118 201〜213 2002年11月 ※いちばん重要。 「裏街道文献」 昔から、とくに本格的に下半身学派となってから――戦前は基本的にズロースをしてなかったとか、女性も立ち小…

学問の 結果にまで顕はるる 雑書の効用 : 学説形式論

昨晩深夜、もりやうすけさんと近代書誌学史、谷沢永一論につきて長電話してゐた際、「あれ、つづきあるんでしょ(σ・∀・)σ」といはれ、ならば、とて書くなり。 イノショー先生の新研究会 実はこのエントリ、オタどんがものせる、ツイッターなるつぶやきに触発…

これは重要な

かきかけ 谷沢 〜この三人はそれぞれ個人の手法はちがうけれども、書誌が大好きという点で共通していて、書誌という学問―これ立派な学問だと思うんだけれども―に重大な意義を認めている。〜 日本近代の著作家〜を材料にするわけだから、ことばはまだ一般に認…

入手予定

人恋しくて本好きに / 山野博史. -- 五月書房, 2006.8 三酔人書国悠遊 / 谷沢永一. -- 潮出版社, 1993.6 谷沢 永一 / 山野 博史 / 加地 伸行 本は異なもの味なもの / 山野博史. -- 潮出版社, 1996.7

古本は東京に限る???

内堀弘(古書店主)氏が、『資生堂という文化装置』を読んだとて、こんなことを図書新聞(2011.6.4)に書いている。 今でも、古書展に行けば、その頃(昭和初期)の本や雑誌が並んでいる。もちろん、古い資生堂の宣伝誌や資料がたやすく見つかることはない。…

日記

ひょんなところでu-senくんに会う。 おもしろき書誌を貸与さる。感謝。

サーキュレーションって知っとる?(σ^〜^)

サーキュラー、っちゅーたら、紀要っちゅーかチラシっちゅーか、ばら撒くもの。 ぢゃ、サーキュレーショーンってったら、なーんだ? って、手許にある# Glossary of library and information science : English-Chinese/Chinese- English / Su Chen, Shi Den…

ABC三十年の歩み / 日本ABC協会編. -- 日本ABC協会, 1983

ABC三十年の歩み 1869 [米]新聞年鑑 部数を記載 1899 アメリカ広告主協会(AAA) 1907 日本電報通信社 全国主要新聞社へ部数紹介 1911 AAAから全国広告部長協会(ANAM)分立 1914.5.20 Audit bureau of circulations 成立 1918 神谷市太郎(ライオン歯磨)ABC…

『千代田図書館蔵「内務省委託本」関係資料集』

『千代田図書館蔵「内務省委託本」関係資料集』が出ているらしい。 入手せねばなぁ。。。